CEFRの規則に沿って、オランダ語の文法を学んでいきます。いよいよB1レベル!
B1レベルは、日本人がオランダで永住ビザをとるために必要なオランダ語の試験のレベルです(Inburgeringsexamenといいます)。
| レベル | できること(運用) | 文法の目標・扱う内容 |
|---|---|---|
| A1(初級) | ・簡単なあいさつ、自己紹介ができる・身近な語で簡単な文を作れる | ・基本の語順(S + V + O) ・現在形の動詞活用 ・名詞の性(de/het)と冠詞 ・形容詞の -e 付け ・否定(niet / geen) ・基本前置詞(in, op, naar など) |
| A2(初中級) | ・日常ルーティンを説明できる・簡単な予定や過去を話せる | ・助動詞 ・過去形(不規則・規則動詞) ・未来表現(gaan + 不定形 / zullen) ・分離動詞・非分離動詞 ・比較級と最上級 ・頻度副詞(altijd, soms など) |
| B1(中級) | ・身近な話題について少し詳しく話せる・意見を短い文で説明できる | ・完了形(助動詞 hebben / zijn) ・受動態(worden / zijn) ・従属文(omdat, hoewel, als など) ・前置詞句の語順(VK→動詞最後) ・再帰動詞 |
| B2(中上級) | ・抽象的な話題も話せる・議論や長めの文章も理解できる | ・関係代名詞(die / dat) ・接続詞の拡張(nadat, zodat など) ・仮定法的表現(zou + 不定形) ・語順の複雑化(動詞のスタック) ・副詞的位置の柔軟化 |
| C1(上級) | ・専門的・学術的な内容を明確に説明できる・微妙なニュアンスを表現できる | ・抽象名詞や複雑な構造の文章 ・句 ・節の組み合わせによる高度な文構造 ・熟語的表現(固定句) ・パラフレーズ力強化 |
| C2(母語話者レベル) | ・どんな状況でも自然に理解・表現できる ・ニュアンス、ユーモア、比喩を自在に扱える | ・高度な語彙の運用 ・複雑な語順の自在操作 ・文体調整(フォーマル/インフォーマル) ・複文・長文の構造を完全にコントロール |
それではいきましょう。
1. 完了形 (助動詞 hebben / zijn)
英語でいう「Have+過去分詞」です。オランダ語ではこの形態が、普通の過去形よりも頻繁に使われます。これを知らないことには、過去形を用いた会話は成り立ちません。
オランダ語の完了形は、助動詞 + 過去分詞でつくります。基本的には hebben + 過去分詞 で作ります。ただし、移動や状態変化の動詞は zijn を使うのがポイントです。そして基本的に、過去分詞は文の一番最後にきます。
✔ hebben / zijn の使い分け表
| 助動詞 | 使用される動詞のタイプ | 例 |
|---|---|---|
| hebben | 一般動作、対象物のある行為 | eten (食べる), maken (作る), kopen (買う), lezen (読む), schrijven (書く), kijken (見る), vinden (見つける), werken (働く), begrijpen (理解する), zeggen (言う), openen (開ける) |
| zijn | 移動・状態変化 | gaan (行く), komen (来る), worden (〜になる), blijven (残る), sterven (死ぬ) |
✔ hebben を使う動詞
一般動作のほとんどが対象。
- Ik heb het boek gelezen. (hebben gelezen = 読んだ)
私はその本を読みました。 - We hebben de kamer schoongemaakt. (hebben schoongemaakt = 掃除した)
私たちは部屋を掃除しました。 - Ik heb een nieuwe jas gekocht. (hebben gekocht = 買った)
私は新しいコートを買いました。 - Zij heeft mijn sleutel gevonden. (hebben gevonden = 見つけた)
彼女は鍵を見つけました。
✔ zijn を使う動詞
移動/状態変化に関するもの
- Hij is naar school gegaan. (zijn gedaan = 行った)
彼は学校へ行きました。 - Ze is ziek geworden. (zijn geworden = なった)
彼女は病気になりました。 - Wij zijn vroeg thuis gekomen. (zijn gekomen = 帰ってきた)
私たちは早く家に帰ってきました。
✔ 注意:助動詞の選び方
「どこかに移動する」「状態が変わる」→ zijn
それ以外 → hebben
2. 受動態 (worden / zijn)
オランダ語の受動態は、以下の2種類があります。「worden + 過去分詞」は進行中の受け身に対して用いられ、「zijn + 過去分詞」はすでに完了された受け身に対して用いられます。これらの動詞に先ほどの完了形、hebbenやzijnのようなタイプはありません。また受動態も完了形も、過去分詞が文の最後にきます。
✔ 受動態の種類
| 形式 | 意味 | 使用シーン |
|---|---|---|
| worden + 過去分詞 | 〜されている途中(進行中) | 作業中・進行中 |
| zijn + 過去分詞 | 〜された(完了・結果) | 状態が完了している |
✔ 進行中の受動態:worden
「〜されるところだ」「〜されている途中」
- Het huis wordt gebouwd. (worden gebouwd = 建てられている)
家が建てられているところだ。 - De auto wordt gerepareerd. (worden gerepareerd = 修理されている)
車が修理されている最中だ。
✔ 完了した受動態:zijn
「〜された」「〜されている(結果)」
- Het huis is gebouwd. (zijn gebouwd = 建てられた)
家は建てられた (建っている状態)。 - De auto is gerepareerd. (zijn gerepareerd = 修理された)
車は修理済みだ。
✔ door + 行為者
日本語の「〜によって」
- Het boek wordt door de leraar gelezen. (worden gelezen = 読まれている)
その本は先生によって読まれている。 - Het restaurant wordt door veel toeristen bezocht. (worden bezocht = 訪れている)
そのレストランは多くの観光客によって訪れられている。 - De brief is door de directeur geschreven. (zijn geschreven =書かれた)
その手紙は社長によって書かれた。 - De uitleg wordt door de leraar gegeven. (worden gegeven = 与えられている)
説明は先生によって行われる。
3. 従属文(omdat, hoewel, als など)
従属文では、動詞が文末にいくのが鉄則。これはオランダ語独特です。従属文を用いる際は、その従属説の中の動詞が、常に文末にいくことを忘れないようにしましょう。
✔ 従属接続詞早見表
| 接続詞 | 意味 | 用例 |
|---|---|---|
| omdat | 〜なので | 理由説明 |
| hoewel | 〜だけれども | 逆接 |
| als | もし〜なら | 条件 |
| dat | 〜ということ | 従属節(英語のthat説) |
| terwijl | 〜している間に | 同時進行 |
✔ 理由: omdat(〜なので)
- Ik blijf thuis, omdat ik ziek ben.
私は家にいます。なぜなら病気だからです。 - We gaan vroeg slapen, omdat we morgen vroeg op moeten staan.
明日早起きしないといけないので、早く寝ます。 - Hij koopt een nieuwe laptop, omdat zijn oude kapot is.
古いパソコンが壊れているので、彼は新しいものを買います。
✔ 逆接: hoewel(〜だけれども)
- Hoewel het regent, gaan we wandelen.
雨が降っているけれど、散歩に行きます。 - Hoewel hij moe is, werkt hij nog steeds door.
彼は疲れているにもかかわらず、まだ働き続けています。 - Hoewel zij geen ervaring heeft, doet ze het heel goed.
彼女は経験がないのに、とても上手です。
✔ 条件: als(もし〜なら)
- Als je tijd hebt, kunnen we samen studeren.
もし時間があるなら、一緒に勉強できます。 - Als het morgen mooi weer is, gaan we naar het strand.
明日天気が良ければ、海に行きます。 - Als je harder oefent, word je snel beter.
もっと練習すれば、すぐ上達するよ。
✔ 従属節: dat(〜ということ)
- Ik denk dat hij gelijk heeft.
彼が正しいと思います。 - Ze zegt dat ze morgen niet kan komen.
彼女は明日来られないと言っています。 - We weten dat Nederlands moeilijk kan zijn.
オランダ語が難しいこともあると、私たちは知っています。
✔ 同時進行: terwijl (〜している間に)
- Ik luister muziek terwijl ik kook.
料理している間、音楽を聴きます。 - Hij leest een boek terwijl zij tv kijkt.
彼が本を読んでいる間、彼女はテレビを見ている。 - We praten terwijl we wandelen.
私たちは散歩しながら話します。
4. 前置詞句の語順 (VK → 動詞2番目)
オランダ語では語順がよく VK (Voor-Kwaad) と言われます。
前置詞句(時間・場所など)が文頭に来ると、直後に動詞(主語より前) が来ます。
| 語順 | 内容 |
|---|---|
| 1番目 | なんでもOK(文頭に来た語句) |
| 2番目 | 動詞(必須) |
| 3番目以降 | 主語 → その他の成分 |
✔ 基本語順(S–V–O)
- Ik ga morgen naar Amsterdam.
私は明日アムステルダムへ行きます。 - Ik drink elke ochtend koffie.
私は毎朝コーヒーを飲みます。 - Hij leest een boek in de woonkamer.
彼はリビングで本を読んでいます。
✔ 前置詞が文頭 → V2ルール発動(動詞が2番目)
- Morgen ga ik naar Amsterdam.
明日、私はアムステルダムに行きます。 - Na het werk eet hij met zijn vrienden.
仕事の後、彼は友達と食事をします。 - In de winter draag ik vaak een dikke jas.
冬には、私はよく厚いコートを着ます。
✔ 場所を強調して文頭に置く場合
- In Nederland wonen er veel Japanners.
オランダには多くの日本人が住んでいます。 - Op de tafel ligt er een grote krant.
テーブルの上に大きな新聞があります。 - Voor het station staan er veel fietsen.
駅の前には多くの自転車があります。
補足: オランダ語の er は、
- そこ
- それ
- ある
- 〜がある
- ダミー
のように、文の中で空白を埋める便利パーツのような働きをします。上記の文で使われている「er」は、存在文の「er」です(意味としては、〜がある / 〜がいる)。
5. 再帰動詞 (zich…)
オランダ語特有です。(スペイン語にもありますが)。再帰代名詞「zich」を使って、「自分自身に対して行う動作」や「習慣的動作」 を表す。
✔ 再帰動詞リスト(よく使うB1レベル)
| オランダ語 | 意味 |
|---|---|
| zich wassen | 洗う |
| zich haasten | 急ぐ |
| zich herinneren | 思い出す・覚えている |
| zich vergissen | 間違える |
| zich vervelen | 退屈する |
| zich voorstellen | 自己紹介する/想像する |
このzichは、主語によって形が変化します。
| 主語 | 再帰代名詞 | 例 (wassen) |
|---|---|---|
| ik (私) | me | Ik was me. (私は自分を洗う) |
| jij / je (あなた) | je | Jij wast je. |
| hij (彼) / zij (彼女) | zich | Hij wast zich. |
| wij/we (私たち) | ons | Wij wassen ons. |
| jullie (あなたたち) | je | Jullie wassen je. |
| zij/ze (彼ら) | zich | Zij wassen zich. |
- Ik was me elke ochtend.
私は毎朝自分を洗います。 - We haasten ons naar het station.
私たちは駅へ急ぎます。 - Hij vergist zich vaak.
彼はよく間違えます。 - Kun je je dat herinneren?
それを覚えていますか?